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KAZZ 森下

KAZZ MOONは、世界で初めて月明かりによって感光させたゼラチンシルバープリント写真によるアート作品シリーズです。 
月光によって「ゼラチンシルバープリント」の作品がつくられる!!!???   
それには、まず、光の汚染が少なく、屋外で作業ができる場所を探し出し、そこに行かなければなりません。感光作業のために利用可能な時間は、満月、満月前の1日、満月後の1日、つまり、ひと月に、たったの3日間です。しかも、屋外であるために、天候の良し悪しは重要で、雨や曇りの日の操作は不可能です。   
通常、ゼラチンシルバープリントは、暗室で感光されます。通常の大きさであれば操作はひとりでできますし、フィルムを拡大して露光することも可能です。 しかし、KAZZ MOONシリーズの場合、月明かりによって行われるため、画像を拡大するという行為は出来ません。つまり、1分の1の大きさによるプリントを行います。今回の作品は、縦2m40cm x 横80cm という大型作品なので、そのサイズのフィルムが必要だということになります。  
 
そんな大型フィルムのプリントは、1回の操作で多くの作業が必要となり、1回の感光作業で、少なくとも4人の協力が必要となります。しかも、すべての材料は高価です。  
近年、大部分の写真技術がデジタル化されて、ゼラチンシルバープリントの需要は極端に減少し、用紙や感光液などの材料を扱う企業の数も少なくなって、価格は高騰しています。  
しかし、我々はこの難点に妥協することはなく、利用可能な最良の材料と技術によって月光によるゼラチンシルバープリントの作品を完成させました。  
美術館のアーカイブ規格に適合する方法で、作品の製作からフレームの仕上げまで作業をしています。すべてのプリントは長期保存が可能で、フレームなどに使用されているすべての材料も、長期間保管できる素材によってつくられています。  
その繊細できめ細やかな表現を、是非、ご高覧頂きたい。そんな風に考えております。

  ©KAZZ Morishita

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